オートキャドで図面ファイルや画像ファイル以外にPDFファイルを取り扱ってみたい、PDF図面ファイルをベースに加筆したいなどの要望があると思います。PDFは書類・図面・画像などなんでも対応できるドキュメントファイルです。AutoCADでもPDFファイルを取り扱う機能があるので使ってみましょう。PDFアンダーレイとPDF読み込みという二つの機能があります。
AutoCADの図面ファイルの中でPDFの図面や書類を取り込んで使う方法はPDFアンダーレイとPDF読み込みがあり、それぞれ特徴と使い方が違います。PDFファイルには図面データだけでなくテキストや画像、表などが含まれているなんでもありのファイルです。PDF図面や書類を使用する機会も多くなってくると思いますので覚えておくと便利です。
まずはPDFアンダーレイを使ってみます。PDF化された図面ファイルは画層や図形の色や太さなどのCAD特有の情報が含まれているのでPDFアンダーレイを使う方が良いでしょう。参照したPDFは画層のオンオフなどコントロールが可能です。
AutoCADのPDFアンダーレイは挿入タブの参照からPDFファイルをアタッチして選択します、これは外部参照アタッチと同じ方法になります。外部参照同様にリンク切れに注意です。
AutoCADのPDFアンダーレイで参照するファイルのアタッチ条件を決めます。尺度と挿入位置を確定し相対パスを確認します。PDFファイルが複数枚ページある場合はプレビューで表示されるので目的のページを選択します。一度にアタッチできるページは1枚です、複数ページアタッチの場合は作業を繰り返します。
PDFアンダーレイでアタッチしたPDFファイルを確認します。PDFアンダーレイのリボンメニューを確認するとファイルのコントラストやフェード調整、アンダーレイを表示、スナップを有効にする、画層編集などのメニューがあります。PDFアンダーレイファイルは外部参照のようにクリップを作成することも可能です。
PDFアンダーレイしたファイルは画層のオンオフが可能です、非表示したい画層をオフにすることで表示されなくなります。
PDFアンダーレイ図面ファイルにある線分や円なども通常の図形と同じようにスナップが取れます.交点や端点、中点など通常の図形と同じようにスナップさせることが可能です。ただし、画像ファイルになっている線分などにはスナップしないのでご注意ください。ラスタデータ化されている図面ではスナップが取れません。
今度はアンダーレイではなくPDFファイルを読み込んで使う方法です、PDF読み込みの機能を使ってみましょう。画像アイルや書類ファイルなどに使うと便利です。
挿入タブからPDF読み込みメニューをクリックして使いましょう
PDFファイルの読み込み条件を確認します。PDFは複数ページあっても1ページのみ読み込みとなりますので選択しましょう。元のPDFファイルはパースの画像ファイルです、PDF尺度に注意し尺度は任意に設定します。画層はPDFの画層情報を使用します、一つの画層にまとめたい場合は現在の画層を選択しまう。読み込むPDFデータではベクトルジオメトリがあるかソリッド塗りつぶしがあるか、TTフォントを使用するかなどを決めます。ラスターイメージにチェックが入っていないと画像ファイルは読み込まれないので必ずチェックを入れましょう。読み込みオプションでは破線のようにバラバラになった線分を結合したり、線分の太さの情報を適用するかチェックを入れます。
PDFアンダーレイしたりPDF読み込みしたファイルの画層は図面の画層プロパティには表示されません、PDF画層編集を使いましょう。
パース画像のPDFファイルを読み込みしているので、読み込んだファイルはイメージとしてロードされています。しかも今回はA3サイズで画像が大きかったのか分割されているようであまり使い勝手がいいとは言えませんね。小さい画像ならば問題なく表示されたと思います。
画像ベースのPDFファイルをPDFアンダーレイして使ってみましょう、PDF読み込みしたファイルと同じファイルを使ってみます。
画像ファイルのPDFをアンダーレイします、同様に複数ページあっても1ページのみ選択します、同時に複数選択はできません。尺度に注意し任意の位置に挿入します。
外部参照パレットでPDFファイルとしてアタッチされているのが確認できます。リボンメニューもPDFアンダーレイとなっております。
PDFアンダーレイしたファイルをクリップしてみましょう、作業手順は外部参照クリップと同様です。
クリップしたPDFファイルの大きさを確認します、問題なくクリップされていればOKです。
アンダーレイで使うか読み込みにするか、元のファイルによります。書類や小さい画像などのPDFファイルは読み込みでもよいでしょう。CAD図面化されたPDFファイルはPDFアンダーレイで使用したほうが後で画層のオンオフなどコントロールしやすいと思います。
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